猩紅熱といちご舌
猩紅熱といちご舌について
いちご舌は、溶連菌が咽頭や扁桃腺など上気道に感染したことが原因であらわれる症状のひとつです。
溶連菌感染症とは
溶血性連鎖球菌という細菌が原因で起こる病気を総称して「溶連菌感染症」といい、A群溶血性レンサ球菌(略して溶連菌)という細菌の感染で起こります。
猩紅熱と言いいますが、最近は溶連菌感染症と言うことが多くなりました。
溶連菌感染症の特徴
夏期以外で流行があり、発病年齢は5才を中心に4~9才に多い傾向があります。
また、家族、集団生活内での流行が多いのが特徴です。
溶連菌感染症の症状とは
38~39度くらいの発熱とのどの痛みが代表的です。
しかし、3歳未満ではあまり熱が上がらないと言われます。
風邪と違って、咳や鼻水はほとんどみられません。
咽頭痛(ごくんとするとのどが痛い)、リンパ節腫脹(首を触るとぐりぐりがいつもより目立つ)、
苺舌(舌が赤くイチゴのようにブツブツしている)などが認められるが、ときに腹痛、嘔気、嘔吐など胃腸炎症状を伴う場合もあります。小さな発疹が出ることもあります。
溶連菌感染症の診断
独特の咽頭発赤のため診断が容易ですが、溶連菌に感染しているかどうかを検査するためには、溶血性連鎖球菌迅速診断キット、咽頭培養検査、血液検査の3種類のうちのいずれかの検査を行います。
のどを綿棒でこすり、迅速診断キットを使っての細菌検査が可能なので、15分ぐらいで確定診断が出来ます。
溶連菌急性糸球体腎炎などになってしまっている場合には、尿検査を要します。
歯科医師の視点で考察すると、口腔内では、急性咽頭炎、膿痂疹、蜂巣織炎などを引き起こします。
溶連菌の潜伏期は2〜5日で、咽頭壁は浮腫状になり、扁桃腺は浸出を伴い、軟口蓋の小点状出血が出てきます。
いちご舌は、溶連菌が発病してからおおむね2日から4日後にあらわれ、発症早期には白苔に覆われた白苺舌(white strawberry tongue )がみられ、その後白苔が剥離して苺舌(red strawberry tongue )となります。
舌の粘膜や舌苔(こけ)がはがれて舌乳頭が腫れ、イチゴのようなぶつぶつのある紅い舌(いちご舌)になると考えられていますね。
また、咽頭の発赤や舌の赤みは比較的速やかに消えても、苺舌は数週間残ることが多いです。
昔は播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全や、急激な呼吸循環不全を引き起こし死亡することもある感染症でしたが、現在では抗菌薬による治療により、適切に治療できるようになりました。
溶連菌感染症の原因
感染経路は、咳や唾液などによる飛沫感染がほとんどと考えられます。
幼児や学童児に多く、保育園、幼稚園や学校などの集団の中で、流行を認めることもあります。成人も感染することがあります。
溶連菌感染症の治療
治療としては、抗生物質が有効であり、症状は服用1~2日後には改善することがほとんどですが、10日間きちんと服用しないと除菌ができません。
長い期間薬を飲み続けるのは、子供にはむずかしいものですが、医師の指示に必ず従ってください。
そうしないと、急性腎炎やリウマチ熱になる確率が高くなります。
のどの症状が少し落ち着くまで、幼稚園や学校はお休みしましょう。
溶連菌感染症の他の人への感染リスク
兄弟への感染率は5%程度。
時に成人にも感染することがあります。
以前は兄弟に抗生剤を予防投与していたことがありましたが、最近は発症してからきちんと治療したほうがよいと考えられています。
予防方法
A群溶血性レンサ球菌は、手指や飛沫を介して感染するので、手洗い・手指消毒や歯みがき、うがいが基本的な予防方法です。
患者との濃厚な接触はできるだけ避け、接触後は、手洗い・手指消毒、歯磨き、うがいを行いましょう。
家庭内感染を避けるため、タオルの共用は止めましょう。
消毒剤に対する抵抗性
A群溶血性レンサ球菌は、色々な消毒剤に対する抵抗性が弱い細菌です。
消毒用エタノールをはじめとして、次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、逆性石けん液(ベンザルコニウム塩化物液)など、市販されているほとんどの消毒剤が有効です。
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