舌痛症
- 閉経後の女性
- ストレス・精神的ショックを受けた人
- 心配症の人
- ピリピリと焼け付くような痛みがある
- 見た目に異常が見られない
- 食事、会話中や何か他のことに夢中になっている時には痛みを忘れる
- 夕方以降痛みが増す
- 舌の先や舌の横が痛い
- ひどい痛みがある割には、痛みで眠れない、ということがない
- 入れ歯等によるびらんや潰瘍
- アフタ性口内炎
- 口腔カンジダ症
- 口腔乾燥症
- 平滑舌,舌乳頭の萎縮
- 難治性の潰瘍
- 扁平苔癬
- 舌ガン
- 三叉神経痛
- 舌咽神経痛
- 舌痛症
- 口腔内灼熱感症候群
舌痛症とは?
舌にヒリヒリした慢性的な痛みが続く舌の病気。
本人にしか解らない…
患者様の中には精神科や脳神経外科、耳鼻科、などいろいろな診療科を受診され、「身体的異常は見つからない、心配しずきないほうがいいですよ」と気休め程度のツムラの漢方などを処方され、経過観察されてしまうケースも多いようです。
たくさんの医師にも舌の痛みを共感してもらえないことから、病院を転々とする患者様も珍しくはありません。
症状に波がある
起床時や昼過ぎまではそうでもないけど、夕方や夜にかけて痛むことがよくあります
悪性腫瘍や前癌病変ではありません
いくら待っても長期間、舌の痛みが続くため、舌に悪いものが出来ているのではないかと心配される患者さんも多いのですが癌ではありません。
舌痛症の原因は現在のところ確定的要素は解明されていません。
以前は「精神的な問題」という説が有力でしたが最近では「神経痛」みたいなもので、痛みを伝達し知覚する神経回路に問題が生じているためだと考えられるようになってきました
舌痛症の方にはある特徴があり次のようなことが挙げられます。
更年期の女性に多く40代〜70代の方
身内の介護や思い通りにならないことが続くなど毎日のストレスが蓄積した場合や配偶者との死別、離婚など大きな精神的ショックが舌痛症を引き起こすことがあります。
病気に対する恐怖心が大きい人は舌痛症にかかりやすいと言われています。
ご自身にできることとは?
舌痛症の判断基準
治療方法
はっきりした原因が解明していないため、有効な治療方法が少ないのが現状です。
人によっては漢方薬や亜鉛、鉄、ビタミンB12の内服が有効な場合もあります。
漢方は、体質から正す効果がある薬といわれており、ストレスや生活習慣によって出てきた異常を治す効果があります。
なかなか効果が出にくくても、いずれ症状は消えると考え、あまり心配しないようにしましょう。大切なことは気長に付き合いながら治していこうという根気強さが必要です。
舌に傷がないのに、なぜ痛みを感じるの?
この病気では口腔の痛みの感覚神経が「回線の混線」を起こしていると考えられています。
つまり痛まなくてもいい時に、痛みの神経回路が勝手にバチバチと電気信号を発している状態が起こっているということです。
睡眠不足、体調不良や疲労などによって、この電気信号の活動が影響を受けるため、症状に波があると考えると説明がつきます。
最近では、脳は全く外からの刺激がなくても知覚経験(痛みなどの感覚)を創造できることが明らかになっています。
舌痛症は不安や抑うつのような心理的な問題が関与している場合は抗うつ薬によって軽減することが研究によって明らかになっています。しかし、抗うつ薬の効果には個人差があり、脳内で起きている「神経回路の混線状態」が患者様ごとに微妙に異なるので、現在のところ「このやり方で全員が治る」という即効性がある治療法は確立されていません。
あなたの舌の痛みの原因は?
舌の痛みの種類は、3つあります。
A 侵害受容性疼痛
B 神経障害性疼痛
C 心因性疼痛
A侵害受容性疼痛
詰め物が外れたままの歯や合わない入れ歯、虫歯などで舌が傷ついています。
治療方法→当院で治療できます入れ歯が原因の場合:入れ歯の底がねんに強く当たらないように調整します。歯が原因:詰め物をして、尖っている箇所がないようにしていきます。薬の処方:歯肉や粘膜の傷に軟膏を塗布します。
不潔にしているとお口の中でも真菌が増殖します。唾液の分泌が少なくなったり、加齢で免疫力が落ちて清掃状態が悪いと起こりやすくなります。赤くなっているのが特徴です。
治療方法→当院で治療できますクリーニングしたり、抗真菌薬を処方したり、口腔外科に紹介します。
口腔乾燥症はドライマウスとも呼ばれます。加齢や薬の副作用、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患が原因の場合と、ストレスなどの精神的なことが原因で唾液が少なくなる場合などがあります。
治療方法→当院で治療できます
生活習慣の改善:良く噛むと唾液が多く分泌されます。
ですので、噛み応えのある食事にして意識的に噛む回数を増やすことがドライマウス改善につながります。
また、唾液腺マッサージをして唾液の出をよくしてあげるなど自分で出来ることもあります。
薬の飲み合わせを改善する:複数の医院で薬を処方されている場合、重複していたりのみ合わせが悪かったりすることがあります。
主治医と相談するためのお手伝いが可能です。
ドライマウスや薬の副作用、慢性水分不足等が原因で、通常ザラザラしている舌がツルツルになってしまっているのを、平滑舌といいます。
また、舌の脇や根元にある乳頭とよばれる味を感じる部分(味蕾)が萎縮しているケースもあります。
鉄分・亜鉛、ビタミンBの不足が原因のケースもあります。血液検査をして不足成分を調べる必要があります。
治療方法→当院で治療できます
食事指導:亜鉛はカキ・あわび・レバーなど、鉄はレバー・ほうれん草・小松菜など、ビタミンB2・12はレバー・うなぎ・卵などに多く含まれていますので、それらの食事を多く取ることを指導します。薬を処方:鉄剤などを内科で処方してもらいます
長期間、合わない入れ歯などを使用していたことで潰瘍になってしまうこともあります。
治療方法軽度であれば当院で治療できますが、どうしても回復はしない場合は他の疾患も疑われますので、応急処置をした上で大学病院などの高次医療機関に紹介します。
白い粘膜が下を覆い、ヒリヒリしみたり、突っ張った不快感があります。
治療方法明らかに病理組織検査等が必要な場合、高次医療機関をご紹介し、検査結果によって治療機関が決まります。
でこぼこの腫瘍や白斑が見られます。
悪性の場合は腫瘍が小さくなることはありませんので、一度白くなったのが消えた場合は癌ではないことも。
治療方法確定診断のため、速やかに高次医療機関をご紹介します。
B神経障害性疼痛
三叉神経とは、顔の感覚を脳に伝える神経です。上顎、眼頬、下あごの三つに枝分かれしておりいずれかの神経が損傷したことで痛みが起こるのが三叉神経痛です。40〜60歳代の女性に多く発症します。
治療方法適切な医療機関をご紹介します。
舌咽神経は、喉の奥や舌の奥、耳の奥の感覚に関係する神経です。神経を血管が圧迫していることが起因です。
治療方法適切な医療機関をご紹介します。
C心因性疼痛
上記の二つはほぼ同じ病態で、上記のどれにも当てはまらない場合につけられる病名です。
舌痛症は更年期の女性に多く0.6~3.2%の人に発症すると言われています。
即効性のある治療法は解明されていません。
治療後にすぐに改善が見られることが少ないため、痛みを完全に除去するのではなく、痛みをうまくコントロールして日常生活に差し支えないように痛みを抑え、生活の質を上げることが最初の目標となります。
少しずつても痛みを徐々に軽減させることができれば精神的にも楽になることでしょう。
治療法
レーザー治療
レーザーによる星状神経節近傍照射及び筋照射に応用し交感神経緊張症状からくる舌痛症に対して行います。 温熱効果による舌表面の治癒促進を期待。
当院では治療に副作用のない、漢方医学などを使って身体に負担のない治療法からはじめています。漢方に定評のある「タカトリ薬局」と提携しております。
もし舌痛症かもしれないと感じ、受診するならば、経験豊富な症例数がある当院へご相談下さい。
また専門医療機関を必要に応じてご紹介しております。