顎関節症
口を開けると顎の関節が痛い、カクカク、ゴリゴリ音がする、口を大きく開けられないなど、顎関節に症状がある場合に診断される病気のことです。その他、「あくびをした時など大きな口を開けた時に、度々顎が外れるので困ってます」というご相談をいただくこともあります。
大きく口を開けた時に、顎の関節が外れて口が閉じなくなること「顎関節脱臼」といい、この症状も、頭蓋骨や顎のゆがみが原因となっているのです。
めまい、肩こり、首筋の凝り、難聴、視力障害、頭痛、など原因不明のその症状、それは顎関節症かも知れません。
顎関節症とは、あごの関節の位置異常によっておこる病気です。自然に治る軽症のものから、仕事はおろか日常生活さえままならない深刻な症状に苦しめられる重症の患者様もいます。
顎関節症の定義
「顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする、慢性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靱帯障害、関節円盤障害、変形性関節症などが含まれている」
(日本顎関節学会「顎関節症の定義」)
顎関節症の症状
顎関節症の症状には大きく分けて局所的症状と全身的症状に分けることが出来ます。
局所的症状
口を大きく開けることが出来ない
口を開けるとき違和感、痛みを生じる
口の開閉時関節から音がする
全身的症状
肩こり、首の凝り、めまい、突発性難聴、頭痛、耳鳴り、吐き気、・・等、うつ病、思春期や更年期障害でも起こると言われています。
年齢では10代後半から増え始め20~40代がピーク
女性は男性の2~3倍の来院数です。
なぜ女性が多いのかと言うと、女性の方が筋肉の緊張やストレスに対して感受性が高く、痛みに敏感で健康に関心が高いので受診率が高く、男性よりも骨格や靱帯が弱く、女性ホルモンが関係しているからです。
顎関節症の4つの分類
顎関節症のタイプはその障害のある部分によっていくつかに分けられます。(日本顎関節学会による分類)
筋肉の障害によって起こる(Ⅰ型)
関節包・靱帯の障害によって起こる(Ⅱ型)
関節円板の障害によって起こる(Ⅲ型)
顎の骨が変形して起こる(Ⅳ型)
顎関節症のタイプはこのように4つに分けられていますが、実際の臨床では、複数のタイプにまたがっていることが多いので、治療には経験と診断力が必要です。
顎の関節が痛んだり口が開けづらいなどの症状があった場合、まずは自分で顎に負担をかけないなど注意をして過ごしてみましょう。 数日たっても治らないような場合は、治療の必要性があります。
顎関節症の治療費
保険適用の場合(3割負担)・・・約4000円~
当院では患者様の負担を減らすため、できるだけ保険内で顎関節治療を行っております。
外科的手術を行なう場合には、信頼できる口腔外科専門医へ紹介し、別途入院費用がかかることがあります。
顎関節の治療法
日本顎関節学会から診療ガイドラインが出されており当院では、十分な説明、インフォームドコンセントを行ってから治療を始めていきます。
なぜなら顎関節症は「これをすれば確実に治る!」という治療法はまだありません。
当院ではいきなり歯を削ったり矯正をしたりするのではなく、マウスピースを装着するなど後戻りできる体を傷つけない負担の少ない治療法から始めています。