覚醒剤で歯が悪くなるって本当?
覚せい剤乱用者の数は1億2千万人の国民のうち、約1万6千人。
およそ7千人に1人の確率になります。
このなかで近年若者、特に高校生の乱用者が増えてきて潜在的な問題になっており佐賀でも起こっています。
佐賀市当院は、刑務所が200m先にあり割と近く、刑務所に収容されている方も来院されるので歯科治療していますが、麻薬中毒患者というのは本当に悲惨で歯もボロボロの傾向です。
麻薬常用者特有の口腔内の症状として英語で「Meth mouth(メスマウス)」と呼ばれています。
これはシャブだけでなくヘロインやコカインなどでも見られる口腔内所見です。
麻薬で歯がボロボロになる傾向があるのは事実ですが、主に直接的な原因ではなく、間接的な原因で前歯をボロボロにさせてしまいます。
タレントの清水健太郎さんも講演で『私は覚醒剤を常用していたので、自分の歯が一本もありません。総入れ歯なんです』とおっしゃっていました。
具体的になぜ、麻薬は歯に悪いかと言うと
①覚醒剤自体が歯を溶かす強い酸性。
さらに純度の低い覚醒剤は歯に悪い
原因として覚せい剤は歯を溶かす酸性で歯に悪いです。また、シャブの製造過程で残ってしまった酸性の不純物が、歯肉や歯の表面を腐食し、炎症を起こします。
医療用でない違法に製造されたシャブは不順物も多く、プッシャー(密売人)が身体に悪い得体の知れない物で薄めるから余計に悪くなります。
②あり得ない位に強烈に食いしばる。
覚醒剤や麻薬常用者は強烈な食いしばりをする傾向があり、歯にヒビが入り、歯の咬耗や摩耗、亀裂割れを引き起こします。本人は寝ているので気付かない場合が多いです。
③ツバの減少。
麻薬薬物を使用すると唾液の分泌が減少し、唾液による自然な防護効果が低下し虫歯や歯周病を引き起こします。
④歯を磨かない。
麻薬常用者は歯磨きなどのケアをしなくなる傾向があります。
寝落ちしたり、面倒になったり生活が乱れやすくなります。覚醒剤を用いると眠らなくてもいいのですが、使った3~4日後頃から急激に体がだるくなるのです。
作家、中島らも先生の『ガダラの豚』の中でシャブ中は口が臭いと書いてありました。
歯磨きしないのは、ダメ。ゼッタイ!
⑤甘いものを多量に摂取する。
麻薬常用者は甘いものが余計においしく感じることが多く、喉が乾きやすい傾向にあり、コーラなど甘い飲料をガブ飲みする傾向があります。体温調整がきかなくなり、水分ばかりとるようになり、一日で3~4㍑を飲んでいる患者さんもいます。
また普段は、全く食事が食べられなくなるのですが、不意に甘いものが欲しくなり、シュークリームやお菓子を食べて、気持ちが悪くなって、吐いて、また覚せい剤を使うという、悪循環を繰り返します。
甘いものは虫歯の原因になります。
⑥口を開けたまま長時間睡眠。
覚醒剤常用者は時に口を開けたまま一日中寝たりします。
口が渇くと虫歯や歯周病になりやすく、口内環境を悪化させます。
一般に歯の麻薬への影響は知られていないようですが、麻薬患者やシンナー中毒者は歯が独特な「溶け方」をしています。
酸性の薬剤で歯が溶けてしまうんです。
歯自体も、もろくなるので、ラバーダムという歯を保護する器具をかけるだけで歯がボロボロかけてしまう場合がありました。
前歯などは殆ど溶けたりかけたりしますから「異様な」顔貌になります。
目つきも変わり口元も歯が溶けて頬骨が突き出し老け込みますから顔は健常の時とは別人のようになります。
次に特徴的なのが「歯軋り」。
シャブ中毒患者は麻薬が切れてくると歯をあり得ない力でギリギリとくいしばります。
尋常ではない圧で噛み締めますから、歯が咬耗し、かみ合わせが崩壊します。
かみ合わせが非常に強いので、歯や顎骨への負担が大きく、さらに歯がもろくなっていますから、刑務所から治療に来院されもう口を見ただけで「あ、この患者さん麻薬やられてた方」とすぐ分かるのです。
覚醒剤、麻薬と歯科治療について
薬をやめたあとは、かなり不安だらけだと思います。
もう二度と元には戻れないんじゃないか。
周りから変なふうに見られているんじゃないか。
自分はもう何もできないんじゃないか
見た目も目つきも変わったんじゃ?
誰とも会いたくない
生きていくのが辛い。
いろいろ考えてしまうのではないでしょうか
でも大丈夫です。安心してください。
その考えは、薬の副作用と生活習慣や引きこもっていたからなるものです
普通に人間らしい規則正しい生活していれば治ります。
落ちついてきたら歯から治し健康的な食事をしっかり噛んで治すことが大切です。
当院は薬物依存を個人的問題と済ますのではなく、社会的問題ととらえダルクにも寄付を行い、社会復帰に向けての手助けを治療とともに、サポートしていきたいと思いますのでダルクへのご支援とご理解を宜しくお願いします。
ダルクとは
ダルク(DARC)とは、ドラッグ(DRUG=薬物)のD、アディクション(ADDICTION=嗜癖、病的依存)のA、リハビリテーション(Rihabilitation=回復)のR、センター(CENTER=施設、建物)のCを組み合わせた造語で、覚醒剤、有機溶剤(シンナー等)、市販薬、その他の薬物から解放されるためのプログラムを持つ民間の薬物依存症リハビリ施設です。
入寮し、同じ悩みを持つ仲間とフェローシップの中で回復するために、場所の提供をし、12ステップによる今までとは違う生き方をする練習の場でもあります。
施設ではミーティング(グループセラピー)をダルク又は、自助グループへの参加により1日に2回、午後はレクリエーションで、山登り、ソフトボール、スポーツジム、温泉、など“薬物を使わないで生きる”ここからスタートします。
そして、そのことを毎日続けることによって、薬を使わないクリーンな生き方をし、成長していくことが回復となります。
ダルクでは、自助グループの参加や、医療機関との連携も、かかせないプログラムの一環として行っております。
スタッフは全員が薬物依存者です。
新しい入寮者は仲間です。
薬物依存者同士、病気の分かち合いをしながら回復、成長し使わない生き方の実践をしております。
佐賀ダルクへのサイト、ご支援はこちら
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