MTAセメントで歯と神経を残す最新治療を行っております。
MTAセメントにて歯の神経を残し、歯を抜かないで守る意味とは?
歯の神経は、歯の最も内部にある神経や血管がある部分で、歯に加わる様々な刺激を感知して虫歯や歯周病などから歯を守る機能があります。
歯の神経は、感覚機能だけでなく、防御壁となる第二象牙質(デンチンブリッジ)の形成や、虫歯菌や歯周病に抵抗する免疫細胞などの防御機能があります。
「歯髄を守る」、「歯の神経を残す」理由としては、歯の神経の有無が歯の寿命に大きくかかわるからです。
歯を失う原因には、歯周病や虫歯、外傷などもありますが、最多の原因は、歯根破折であり、喪失歯の約6割を占めるといわれています。
この歯根破折を生じた歯のほとんどは神経のない歯(失活歯)であり、過去に虫歯などが原因で神経を取る処置(抜髄処置)がされています。
抜髄処置や根管治療をされた失活歯は、歯質が健全歯と比べて大きく失われているため、歯根破折のリスクが高く、相対的に歯を失うリスクも高くなります。
また、歯を失う2番目の原因である歯の根の病気(根尖病巣)も、抜髄処置や根管治療をされた失活歯で生じる問題です。
1番目の原因である歯根破折と合わせると、喪失歯の7割以上が神経のない歯であり、歯を失わないためには歯髄を守ることが重要であるといえます。
歯の神経近くまで進行した重度の虫歯は刺激により歯髄が炎症を起こしやすいため歯の神経を保護する処置が必要になります。
特に虫歯の除去時に神経が露出し傷ついた場合は通常、水酸化カルシウムによる直接覆髄により、歯髄の保存・温存をしますが、成功率はそれほど高くありませんでした。
結果的に神経を取る処置(抜髄)が必要になることもあります。
そこで新しく開発されたMTAセメント治療(歯髄保存治療)は高い確率で神経を残すことができるようになりました。
MTA(Mineral Trioxide Aggregate)とは、ケイ酸カルシウムを主成分とし、生体親和性や封鎖性、石灰化促進作用、デンチンブリッジ形成能、
細胞反応活性化促進作用、 抗菌性に優れた革新的な材料です。
MTAセメントとは、強い殺菌作用、高い封鎖性、体に優しい生体親和性、水分があっても固まる親水性という特徴を有するため、
- 深い虫歯の神経を残すことができる
- 治りにくい根の治療を治すことができる
- ひびの入った歯や、穴の空いた歯を接着、修復することができる
- 歯根嚢胞の手術で根の先から穴を埋めることができる
本来ならば、歯を保存することが不可能である歯を抜かずに残せたり、神経を残すことが困難である歯の神経をとらずにすむことが可能になります。
この「神経を守る」「歯を抜かないで残す」MTAセメント治療は歯の寿命を延ばすことのできるMI治療(最小襲撃治療:ミニマル・インターベンション)といえます。
MTAの方法は
MTA治療では、歯髄に近接した深い虫歯の除去などの治療過程がとても重要になります。
現在発売されているのは、プロルートMTA(Pro Loot MTA)とセラカルLC(TheraCall LC)などがあり、当クリニックで取り扱っています。
STEP1
歯科用顕微鏡を使用して、低速ドリルや手用器具(エキスカベーター)などで虫歯を除去していきます。
STEP2
虫歯を取り除き、う蝕検知液で虫歯が残っているか確認します。健全歯質は削らず、虫歯だけを確実に取り除いていきます。
歯髄に近接した深い虫歯の治療となるため、刺激を与えないように虫歯を取り除いていくことがポイントになります。
STEP3
虫歯を取り除き、う蝕検知液で虫歯が残っているか確認します。健全歯質は削らず、虫歯だけを確実に取り除いていきます。
歯髄に近接した深い虫歯の治療となるため、刺激を与えないように虫歯を取り除いていくことがポイントになります。
MTAセメントのデメリット
①値段が高い
1グラム1万円以上の値段のため治療費が高い。また保険適用ではないためその歯の治療を全て自費で負担しなければなりません。例えば、歯の治療に保険であれば3000円(自費だと1万円)で済んだはずの歯の治療費が、(歯の治療費)1万円+(MTAセメントの費用)1万円=2万円などになります。
②歯が痛む、しみる
歯髄(神経)で処置を行っているので神経が過敏になっています。
麻酔が切れた後は痛みやしみを感じます。
しかし、歯髄が回復していくと徐々に感じなくなっていきます。
注意点
◆適応症が限られています
MTAセメントによる覆髄処置は、非感染生活歯髄が適応症になります。
何もしなくてもズキズキ痛む、温かい物で痛むなどの炎症歯髄や感染歯髄は非適応症となります。
MTA治療の可否は虫歯の状態を直接確認した上で、判断していきます。
◆歯の神経を保存できない場合もあります
MTAによる覆髄処置は、従来よりも高い確率で歯髄を保存できる治療法ですが、歯の状態によっては治療後に、歯髄の炎症などによる抜髄処置が必要になる場合があります。
◆治療直後は多少しみることがあります
MTA覆髄治療の直後は、虫歯除去時の刺激や覆髄処置の刺激によって、一時的に歯が過敏になり、冷たい物などでしみたりする場合があります。
これらの症状も時間が経つにつれて軽減・消失していきます。
◆保険適用外の治療です
MTA覆髄治療(歯髄保存治療)は、保険適用外になります。
当院での費用は、料金表ページをご覧ください
料金表ページへ
所要時間は、20~30分です。
このセメントは1グラムが約1万5千円もします。
この高い値段が問題で、この値段では保険診療で使う事は事実上無理です。治療にかかる費用は1万5千円から3万くらいが相場です。1万円で治療してくれると、ほぼ原価です。
MTAセメントの1gの単価が高いので良いお値段になります。
なぜならば、割れた穴を埋める事に関しての保険の診療報酬はありません。
つまり自費診療でしか使用できないのです。
なので混合診療との関係もあり、このセメントを使う場合は、これに付随する診療行為も全て自由診療でするように法律で決められています。
このように大きな虫歯でも神経を残して治療ができる確率が高くなりました。
最近はMTAセメントにて治療出来るかとの問い合わせが多く、特集致しました。
興味がある方は「MTAセメント治療で」とお声かけください。
池田歯科医院・こども歯科:https://ikeda-shikaiin.com/
〒840-0859 佐賀県佐賀市新栄西1丁目2-45
電話:0952-22-0388/0120-6789-11