受け口 しゃくれた顎のマウスピース治療について

   

受け口はなるべく早く矯正治療する、というのが基本的な考え方です。

上顎の成長発育は小学校低学年~中学年(7,8,9才)にピークを迎え、その後、思春期に下顎の成長発育のピークが訪れます。
受け口というのは、上顎の前歯が下顎の前歯の内側にありますから、受け口という状態そのものが上顎の発育を阻害する要因になります。このため、上顎の成長発育のピークである小学校低学年以前に矯正治療するのが望ましいのです。

子供の受け口の最適な治療時期

年齢層:3歳~小学校低学年
骨格に原因がある受け口の治療は、早期であればあるほど効果的です

このような歯並びなら要注意です!

小児の受け口、反対咬合、下顎前突
どれも上の前歯よりも下の前歯が前にあります。

受け口は反対咬合、下顎前突とも言われます。歯に原因が限局される場合と、骨格的な問題を抱えている場合があります。咀嚼機能が低いだけでなく、受け口特有の顔貌や発音障害(サ行、タ行)などの問題もあります。
不正咬合の中でも特に早期治療が望ましい症状です。

子供の受け口(反対咬合・下顎前突)の歯列矯正治療の目的

歯のねじれや、隙間といった、個々の歯の位置異常の場合、通常、乳歯の歯並びを矯正治療する必要はありません。ところが不正咬合の原因が歯の位置の異常ではなく、上顎と下顎の大きさのバランスがとれていない、という骨格的な要因による場合には早期の歯列矯正治療が必要です。

受け口の患者様の骨格的な特徴として、上顎が小さく下顎が大きい、という傾向があります。このため、この年齢層における受け口の歯列矯正治療は上顎の成長促進、下顎の成長抑制を行い、上下顎骨の大きさのバランスを改善して、今後の正常な成長発育を促すことが歯列矯正治療の目的になります。

ムーシールド

幼児の反対咬合(受け口)の治療専用の装置(マウスピース)です。
主に寝ている間に装着します。お口の周りの筋機能を利用して、口の周りに正しいバランスを作り出し、反対咬合を治していきます。
3歳~6歳くらいが最適で、成長期を過ぎてしまうと、ムーシールドを使用した治療は難しくなります。

ムーシールドの外観

上の歯と下の歯の間にある透明なプラスティックの装置がムーシールドです。
随分と違和感の強い装置に見えますが、3歳のお子様でも少しすると夜間就寝時に使用できるようになります

ムーシールドの適応

ムーシールドは主に乳歯列期の反対咬合に使用される矯正装置です。
乳歯列期の反対咬合に使用される矯正装置を大別すると

  1. 上顎前方牽引装置やチンカップなど、矯正力を輪ゴムなどの顎外力により作用させる装置
  2. ムーシールドのように、矯正力を患者様自身の筋力から発現するもの

に分けることができます。
どちらが良いか悪いか、ではなく症状に応じて、骨格的要因の強い反対咬合の場合には前者を、骨格的要因がない、あるいは軽微な場合には後者を使用します。

ムーシールドは夜間就寝時を中心に使用します。最初は寝ている間に口から飛び出てしまったりしますが、次第に上手にはめていられるようになります。

ムーシールドの作用機序

ムーシールドは患者様の舌の筋力、上唇の筋力を利用して矯正治療を行ないます。
このように、針金やゴムといった人工物からの力ではなく、お子さんご自身の筋力を用いて矯正治療を行なう装置を総称して「機能的矯正装置」といいます。
ムーシールドは1980年代前半からある装置で特段目新しいものではありません。

2005年に量産化されたため一般歯科医院を含めて多くの歯科医師が手軽に治療に利用できるようになりました。

上図はムーシールドの主な作用機序を簡潔に示したものです。

上顎前歯部を覆う部分により上口唇の上顎前歯にかかる筋力をブロックする
上顎前歯は前からは上口唇、後ろからは舌の筋力の作用を受けています。その、前から受ける部分をムーシールドはブロックします。当然、前歯が前に動くのを阻害する要素が減りますから受け口治療にはプラスに働きます。
ムーシールドを正しく使うと舌は挙上し、上顎前歯を内側から押すような力が働きます。
主にこの2つの作用によってムーシールドは反対咬合の治療を無理なく行なえます。



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