ロコモを知ろう。歯科とロコモの関係とは?
運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)」といいます。
進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。よく噛んで食事をすることは、老化のスピードを遅らせます。
咀嚼力は生命力そのものとも言えます。
つまり、歯科分野からもロコモの予防に積極的にアプローチしていく必要があると私は考えております。
ロコモは筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、もしくは複数に障害が起き、歩行や日常生活に何らかの障害をきたしている状態です。
2007年、日本整形外科学会は人類が経験したことのない超高齢社会・日本の未来を見据え、このロコモという概念を提唱しました。
いつまでも自分の足で歩き続けていくために、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが今、必要なのです。
ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)は、骨、関節、筋肉といった運動器の機能が加齢とともに衰えて、立つ・歩くといった動作が困難となり、要介護や寝たきりになる、またそのリスクが高い状態を指します。
要介護状態となる原因としては、脳卒中(23.3%)、心疾患(4.3%)が、一般によく知られており、これらの予防のために考えられた概念が、おなじみのメタボリックシンドロームです。
一方、要介護状態になる原因の主な運動器疾患は、関節疾患(12.2%)、骨折・転倒(9.3%)、 脊髄損 傷 (2.5%)で、合計すると全体の約1/4を 占める状況にもかかわらず、一般にはよく知られていません。
急速に高齢化が進んでいる中で将来運動器疾患が原因で要介護状態になる人を減らして、元気で年を重ねていただくためには、運動器疾患の予防の重要性を認知していただくことが必要です。このため日本整形外科学会
で、ロコモティブシンドロームが提唱されたのです。
加齢は、体全体におきるため、高齢の方は複数の問題を抱える場合が多く、これらが関わり合って移動能力が低下することなどを総合的にとらえなければなりません。
また、加齢に伴う主な運動器の障害は下記で、Ðロコモの三大疾病Ðと言われています。 こつ そ しょうしょう
- 骨粗鬆症による骨折
- 軟骨の加齢を主な原因とする変形性関節症 せきちゅうかんきょうさくしょう
- 脊柱管狭窄症による神経障害
そしてこれらが、筋力・バランスの低下、 移動能力の低下、さらには要介護状態へ繋がり、歯科との関係は歯周病と相関性があります。歯周病は、細菌が引き起こす感染症で歯ぐきの溝や歯石に隠れたプラークの細菌によっておこる慢性の炎症状態を伴う病気です。
うみ 炎症が悪化すると歯ぐきから膿が出たり歯がぐらつき自然に治ることはなく、最後は歯を失ってしまいます。
この歯周病は、さまざまな全身の病気と関連があることがわかってきました。歯周病菌が血管の中に入り、体の中をめぐって悪さをしているというのです。糖尿病、心臓血管疾患、肺炎、早産などについては、その関連が
指摘されています。
糖尿病と歯周病は、相互に発症、進行する関係であることがわかってきています。
血管中の歯周病菌が、血糖値をコントロールするインスリンの働きを弱め、その結果、血糖値が上がり糖尿病を悪化させます。
また、糖尿病は、体の免疫力を低下させるので、歯周病菌への抵抗力も弱めてしまいます。
歯周病が、心臓血管疾患のリスクとなるものとして考えられているものは下記です。
歯周病原菌の内毒素(LPS)や歯周組織で生産された炎症性物質が血管に入り血管内皮細胞等の中の免疫細胞を刺激して炎症性物質が増加し、動脈硬化が進行する。
歯周病菌が、血小板凝集作用によって血栓形成を促進することで心臓血管疾患の発症を引き起こす可能性があります。
つまり歯周病の治療をしないで過ごしているとその間ずっと全身の健康を損なうリスク を体の中にしまい続けているという事になるのです。
このようにお口の健康と全身の健康には、 繋がりがあります。少しでも歯ぐきなどに 症状がある方は、早めに歯科医院へ行き、治療し早めの予防が大切です。
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