マタニティー歯科外来
妊娠中は、虫歯、歯周病、親知らずの痛み、口内炎など様々な口腔内疾患のリスクが高まり、早く治療をする事も大切ですが、通常より安全かつ適切な歯科治療を行うため産婦人科の主治医と連携し、妊娠中の身体的、精神的状態の状態を的確に判断し把握したうえで歯科治療行う事が重要であると考えています。
歯科医師として「母子の健康と安全を最優先する」という大原則を遵守していますのでご安心下さい。
また、妊婦の歯科治療は母親自身の歯科疾患予防だけでなく元気な赤ちゃんの出産にもつながります。
それは低体重・早産の予防、虫歯菌の母子伝播予防などメリットがたくさんです。
♦妊娠時期における歯科治療時のポイント
妊娠中の歯科治療の基本は決して無理をしないことです。
当院でも休憩やうがいを小まめに行ってもらい状況を的確に判断しています。
使用薬剤やX線診査についてもできるだけ用いない、また必要最低限で安全性が高く、なるだけ少量で効率良く用いるよう心がけております。
①妊娠初期(4ヶ月頃まで)
約75%の妊婦につわりが生じるといわれ吐き気によって、お口の清掃状態が悪化し虫歯、
歯周病菌が繁殖しやすい環境リスクが高まります。
さらに、すっぱい酸性食品の多用や嘔吐により歯の酸蝕症といって、酸により
歯が溶けてしまい冷たいもので過敏にしみたり、虫歯のような症状が出る事もあります。
つわり時の歯磨きの工夫のポイント
顔を下に向けて磨く
奥から前にかき出すように磨く
つわりが軽く、体調が良い時に磨く。特に寝る前が効果的
ながら磨きのすすめ(テレビ、雑誌、お風呂中などリラックスできる状態で)
マウスウォッシュ剤でブクブクうがいを十分に。
刺激の強い歯磨き粉を使わない
嘔吐直後の歯磨きについて
嘔吐直後はうがいを十分にして胃液の残留を洗い流しておく。
嘔吐直後の歯磨きは胃酸で歯がダメージを受けており、歯が歯ブラシで削れやすい状態になっており酸蝕症になりやすい危険があり、30分は歯磨きを控えるのがポイント。
②妊娠中期(5-7ヶ月)
つわりも落ち着いてきて安定期と呼ばれます。歯科治療を行ううえで最適な時期でこの時期に集中して治療する事が望ましいです。
産科医と連携し相談したうえで、抜歯することも可能です。
③妊娠後期(8-10ヶ月)
歯科治療のチェアーであおむけになり治療を受ける事が苦痛となりやすい時期ですので
座った姿勢で治療を短時間で行うなど配慮しております。
さらに、出産のため治療が中断する場合、適切な応急処置を行い出産後に、再受診できるよう治療計画を行いますのでご安心下さい。
歯周病菌は女性ホルモンが栄養源
「子供を一人生むたびに歯を1本失う」という話を聞いたことがありますか?
妊娠・出産は口の中に悪影響を及ぼします。歯周病菌は、女性ホルモンを栄養源とするからです。
女性の口の中の健康状態は、ライフステージに応じて変化します。
女性ホルモンの分泌の変化が口の中の血液環境やプラークの中の細菌などを敏感に反応させるからです。
歯周病は若い女性がかかりやすいという報告もあります
妊娠中は歯周病の細菌が増加しやすい。
歯周病菌で早産、低体重児のリスクも
妊娠中は出血しやすくなります。
歯と歯茎の隙間から染み出る、エストロゲンが妊娠により増加することで、
歯周病の細菌が異常増殖してしまいます。
この菌はもともと口の中の粘膜などにいる害のない細菌ですが、あまりに増えすぎると悪い働きを及ぼすようになります。また、出産と歯周病との関係で言えば、歯周病菌を撃退する免疫反応として分泌されるサイトカインが、早産の原因になったり、低体重児の出産に繋がるとの報告もあります。
歯周病は、女性ホルモンが深く関わっています!
また、閉経後は、女性ホルモンの分泌が減少することで骨粗しょう症にかかりやすくなります。
歯を支える歯周組織の破壊を加速させてしまうこともあるんです。
更年期を迎えるとホルモンのバランスが崩れ、歯周病が大きく進行します。
更年期障害や骨粗しょう症の治療にはエストロゲンなどが用いられますが、その副作用で歯肉の健康が損なわれるケースがあります。
最後に、母親は家族の健康を守る中心であると思いますし、妊娠中のお口の健康状態、
衛生状態を気を付ける意識を高めておくと、生まれてくる子供や家族のお口の健康を育むことにつながります。
これから育児で多忙を極める日々が続き大変だと思いますが、
できるかぎり健康のお手伝いをさせていただきます。
池田歯科医院・こども歯科:https://ikeda-shikaiin.com/
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