顎関節症の治療にはCT診断がとても有効です。

   

顎関節あるいは咀嚼筋に起因する疾患・障害は多岐にわたっており,これら顎関節関連疾患には、画像検査が診断に大変有効です。

特にCTやMRIは骨や軟組織の描出に優れており,画像所見が臨床診断の決め手となることが多いからです。
当院のCT機器は顎関節専用モードが備えられており、顎関節症の診断には最適な画像が得られます。

診療所に最新CTを導入し、顎関節症患者のCT画像を診断したときに、半数以上の患者さんの顎関節に、現在進行形の変形性顎関節症または、過去に変形性顎関節症が認められる所見がありました。
Turrelの論文から紐解くと顎関節部の形態異常は高頻度に認められ変形そのものを気にすることは医学的根拠に基づくと問題はありません。
しかし形態異常から由来する、顎の動きの異常が顎関節症を引き起こすことは経験上分かっています
ので、病変として顎関節部の形態を観察することで、試行錯誤の少ない治療がしやすくなりました。

顎関節症はどんな状態になるのか?
顎関節症の病気の状態は現在4つに分類されています。
最も多いのは関節内にある関節円板というクッションが前方にずれることで起きる「カクンカクン」という音が出る状態。

あるいはずれがもっと大きくなることで大きな口が開けられなくなる状態です。
特に口が大きく開かなくなると、口を開けたり食品をかもうとするときに痛みが出ます。
この2つの状態で来院される方が全体の60%ほどになります。
これ以外では顎関節そのものには痛みがないのですが、下顎を動かす筋肉がうまく働かなくなり、口を開けようとすると頬やこめかみの筋肉が痛むという状態、
あるいは関節円板のずれはないのですが、口を開けようとすると顎関節が痛む捻挫に似た状態があります。
他には関節を作っている骨が変形するタイプの顎関節症があります。このタイプは長年顎関節症が続いていたり、年齢の高い方に多くみられ難症例です。



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